ルミエールワイナリーは、山梨県の豊かな自然の中でワインの製造販売を行っています。

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会長塚本 スロヴェニア“国家功労勲章”授与

2006年11月23日
スロヴェニアの迎賓館ブルド城において、塚本会長は、スロヴェニア共和国のヤネス・ドゥルノウシェク大統領からスロヴェニア共和国国家功労勲章を授与されました。
同国ワイン業界への長年の貢献『伝統あるワインコンクール“ヴィノ・リュブリャーナ“の審査員を23年間務め、また、ワインを通した国際交流のみならず、人脈を生かした両国親善に尽くした』功績が認められたものです。

以下、勲章授与式セレモニーに出席された大西央士氏より

スロベニアは旧ユーゴスラビアの一部で長く共産主義体制下にあったため、世界的知名度は低いが、ギリシア・ローマ時代からワイン造りがさかんで、国民がとてもワインを大切にしている国。首都リュブリャーナでは毎年、世界最古の国際ワインコンクール、ヴィーニョ・リュブリャーナが開かれており、そもそも塚本氏がスロベニアに関係するきっかけになったのもこのコンクールだった。
 23年前、中国でワイン造りをしていた塚本氏は、同国の政府からアジア代表の審査員としてこのコンクールに出席することを求められた。以来、1年も欠かさずよりよいワインを見きわめるこの役目を生真面目に勤め上げ、いつしか最古参の審査員になった。もちろん、その間に自身のワインも何度もこのコンクールで賞を取った。いまやスロベニアのワイン関係者で「ツカモト」の名を知らない人はいない。塚本氏の見識がそのままヴィーニョ・リュブリャーナ、ひいてはスロベニアワイン業界の見識になっている。しかも、その見識は塚本氏がボルドーのアカデミ・デュ・ヴァンの会員になり、パリの国際葡萄葡萄酒機構(OIV)主催のワインコンクールやモントリオール国際ワインコンペティションの審査員も務めることによって、世界的にも裏付けられ、今年からは大会最高のワインに贈られる賞として「塚本賞」も新設されている。
 今回、叙勲式が行われたスロベニアの迎賓館ブルド城で、塚本氏はスタンコ・チュリン氏と並んで大統領の前に立った。同国東部のハンガリーとの国境に近いコグ村でひたすらブドウにその持てる力を凝縮させることだけを考え、素朴なスイートワイン造りを続けているスロベニアワイン業界の至宝。第2次世界大戦中に国を占領したナチスに増産を要求されながら、量を増やせば質が落ちることをきらって抵抗し、あくまで良質ワインの生産を貫いた信念の人。中国でワインを造っていたころ、中国政府からワインの増産を迫られ、同様に質が落ちることを懸念して良質ワインの生産を貫いた塚本氏とは、言葉は通じなくても心の通じる間柄。塚本氏にとっては「神様」でもある。
 そんなチュリン氏と並んで晴れの舞台に立った塚本氏は、大統領のスピーチのあと受賞のあいさつをした。一語一語、はっきりとした日本語。15年前にユーゴスラビアから独立したスロベニアの苦難の道のりへ思いを馳せる言葉が交じるあたりに、かつてスロベニアからの留学生のために奨学基金を設立していた塚本氏の視野の広さもにじむ。何度も日本まで足を運び、日本のワイン業界を指導してくれたテルチェリ先生への感謝の言葉、神様チュリン氏との同時受賞を喜ぶ言葉。そして最後に、つねに自分を信じ、自分を助け、かたわらにいてくれた奥様への感謝の言葉を口にしようとしたとたん、それまでしっかりとした口調で場内に響いていた塚本氏の言葉がとだえ、ふるえた。ワインは人。それをよく知るヨーロッパの国で日本のワイン醸造家がその歩んできた道を評価された瞬間だった。

2006.11.23